宮城産業技術センター(KCみやぎ)の委託事業として「東北地方の建物における融雪設備技術研究会」を立ち上げた。東北地方はほとんどが「寒冷地A」および「寒冷地B」に分類される地域となっている。東北地方は多雪地域も抱えており、従来から交通対策としての道路などの消融雪技術の開発は進められてきている。
しかし、建物まわりに関する消融雪はほとんど人力に頼っているのが現状である。消融雪には多大なエネルギーを消費することもあり、建物周りの技術開発は今後の課題となっている。
そこで、地域企業における技術交流も目的として主催した。特に今年度は関連の深い電気設備学会東北支部(香野俊一支部長:本学コンピュータサイエンス学科教授)と共同で、勉強会および融雪施設に関する現地視察見学会を企画し実施した。
その一環として2008年2月18-19日に現地調査を実施した。
東北地方の建物における融雪設備に関する調査研究会 (事務局:東北文化学園大、宮城産業技術センター研究助成)
調査団の構成
委員長 香野 俊一 *1*3 東北文化学園大学科学技術学部教授
幹事 二科 典正 *1*2*3 太平電気㈱技術部長
幹事 鈴木 正孝 *1*2*3 東光電気工事㈱東北支社内線部長
幹事 須藤 諭 *1*2*3 東北文化学園大学科学技術学部教授
菊池 新喜 *3 東北学院大学工学部特別教授
庄子 貞雄 *3 庄子技術士事務所所長
神村 正征 *1 古川電気工業㈱執行役員
吉田 善之 *3 (有)和佳奈総合企画代表取締役
長岡 和俊 *1 東北電力㈱お客さま本部配電副部長
赤井 仁志 *1 ㈱ユアテック技術開発センター課長
清水 進 *1 (財)東北電気保安協会
井城 依真 *2 東北文化学園大学科学技術学部助手
事務局 斉藤 信夫 *1*3 ㈱ユアテック電気設備部部長
注)*1:電気設備学会東北支部調査研究委員会
*2:東北地方の建物における融雪設備に関する調査研究会
*3:電気設備学会東北支部役員会
調査実施日 平成20年2月18(月)~19日(火)
視察場所および概要
2月18日
1 岩手県盛岡市 盛岡駅西口周辺
・融雪対象 歩道融雪(人工地盤)
・方式 ヒートポンプ
・特徴 熱源は無散水融雪に利用した地下水のカスケード利用
2 岩手県盛岡市 茨島跨線端
・融雪対象 道路融雪
・方式 ヒートポンプ
・特徴 空気熱源HPと地中熱源HPのハイブリッド
3 岩手県二戸市 二戸市道「春日杉沢線」
・融雪対象 道路融雪)
・方式 電気式ヒートパイプ
・特徴 熱源はカートリッジヒータ、ヒートパイプにより予熱負荷が小さい
2月19日
4 青森県青森市 青森ベイブリッジ
・融雪対象 道路融雪
・方式 海水熱源式ヒートポンプ
・特徴 既設ブリッジ道路面を改良工事、熱源は海水、熱媒は不凍液
5 青森県青森市 日本電設工業㈱青森支社
・融雪対象 駐車場融雪
・方式 電熱線
・特徴 路面温度センサ、水分センサによる制御、イニシャルコストが小
6 青森県弘前市 ESTクリニックガーデン
・融雪対象 歩道融雪、屋外階段融雪
・方式 電熱線
・特徴 温度センサ、水分センサ、降雪センサによる制御、
7 青森県平川市 ひらかドーム
・融雪対象 幕屋根
・方式 薄型面状ヒータ
・特徴 屋根積雪の滑落誘引が目的