2000年4月25日火曜日

東北科学技術短期大学最後の卒業証書授与式

東北科学技術短期大学最後の卒業証書授与式

 2000年(平成12年)3月17日(金)、東北科学技術短期大学(以下、短期大学と略す)最後の卒業証書授与式がホテル仙台プラザを会場として行われた。短期大学第6期生、情報工学科93名、建築設備環境学科卒業生65名の人一人一人に毛利平学長より卒業証書が授与された。卒業生全員に学長自ら授与されるというのは、第1期卒業生への証書授与式以来引き継がれてきた、我が短期大学ならではの良きスタイルである。

 本短期大学は1993年(平成5年)4月、初代学長を大内秀明先生(現東北文化学園大学総合政策学部教授)とし、情報工学科および建築設備環境学科の二つの学科を擁する、全国的にも類を見ない理工系カレッジとしてスタートした。以来、第1期生から第6期生まで、情報工学科卒業生567名、建築設備環境学科438名、合計1007名を社会に輩出してきた。この間の卒業生を受け入れる社会状況は決して安穏な時代ではなく、就職求人は冬の時代さらには氷河期などと称される時代が続いてきたわけであるが、就職内定率は常に90%以上を確保してきており、一般短大に比して2倍以上の内定率という実績を残してきた。このように理工系分野において短期大学を成立させるという壮大な実験でもあったが、地域に根ざした中核エンジニアを育成するという明確な目的を掲げての我が短期大学は、関係各位に努力によって高い評価を得てきたと自負できるものである。

 一学年の入学定員140名と規模こそミニマムカレッジではあったが、短期大学の成立によって、県教育委員会所管の学校法人組織から国レベルの文部省所管の学校法人へと成長し、昨年度の東北文化学園大学開学への礎となったものであり、本学園が経験してきた数々の転機の中でも大きな役割を担ったことは間違いない。本短期大学の有形無形の財産の多くは、東北文化学園大学、とりわけ科学技術学部に引き継がれていくことになると思われるが、今後の発展に大いに期待をしたい。

 最後に本短期大学の設置から運営まで、理事長始め学園教職員各位の並々ならぬご尽力に万感の謝意を表したい。


                2000年4月25日
                科学技術学部 須藤 諭
(元短期大学教務委員長)