2011年4月30日土曜日

本学の災害時における地域支援の可能性 その3 報告書


その3報告書表紙
大地震の発生の確率が高い地域に位置する本大学は、在籍する教職員および学生の災害時における対応策、さらに公共施設として位置づけられる大学として地域への支援の可能性も含めて検討することが重要な役割であると考えられている。
第3年度は、第1年度、第2年度の成果を踏まえて、その継続的検討として検討されてきた項目をそれぞれ実質化することを目的とした。主な課題としては下記が想定された。
1)災害時非常用水栓の実地装備
  ・管理課職員、警備員、その他関係者への設置訓練の実施
  ・学内および地域町内会等への公開、報道関係への公開
  ・実装した上での改良点の検討およびその実行
2)災害時非常用水栓の一般建物への普及
  ・仙台市関係部局との連携
  ・一般マンション、学校などを対象としたモデル事業への展開
3)学外との連携・大学内災害時対応体制の確立
  ・災害時対応体制の組織的構築
  ・緊急電話、発電機、備蓄品装備の促進

本WGの活動は過去2年度に引き続き、地域連携室に設置して検討が進められ、本WGにおける調査研究の主たる経費は、本学平成22年度教育計画支援費「本学建築設備を有効活用した災害時における地域支援の検討その3」(申請者:須藤諭教授)による助成を受けたものである。
また、宮城県産業技術総合センターに申請したいわゆるKCみやぎ研究会「既存設備を活用した災害時緊急給水研究会」(申請者:須藤諭教授)が採択され、一般建物への普及策の検討等についてはこの研究会と連携して進めることとした。学外との連携の一つとして、岡田誠之教授が参加している仙台圏戦略的大学連携支援事業の防災ネットワーク部会における平成22年度「防災マニュアルの作成」についてもこのWGにおいて検討を進めることとなった。
さらに、平成23年2月19日には国見地区連合町内会と青葉区との3者の地域連携協定が締結され、大学が国見地域のまちづくりや災害支援に積極的に協力することとなり、本WGの活動成果もその一助となることとなった。

そして、既に報告書のまとめに入っていた2010年3月11日の14時46分、東北太平沖地震が発生し、この検討WGによって設置された「災害時用非常用水栓」を稼動させることとなった。この記録を収録するため、急遽「Ⅴ.2011年3月11日東日本大震災にともなう緊急給水」を追加した。そのため、本報告書の発行日は年度をまたいだ2010年4月30日となった。