2011年9月15日木曜日

電気設備学会全国大会記念特別講演

電気設備学会全国大会記念特別講演
「東日本大震災における電気設備の被害事例調査について」


 2011年9月15日~16日、電気設備学会2011年(第29回)全国大会が宮崎大学を会場として開催された。本大会の開会式行事の特別講演の講師として須藤諭教授が招聘され、「東日本大震災による電気設備の被害事例調査」をテーマとして講演が行われた。
 特別講演は当初、原田宏氏(宮崎大学理事、副学長)による演題「我が国の和牛の成り立ち」のみが行われる予定であったが、東日本大震災の発生を受けて電気設備学会東北支部が行った設備被害に関する調査について、大会実行委員会からの強い要請を受けて、急遽報告することになったもので異例の特別講演であった。
 林喬会長(関電工会長)の開会挨拶及び原田宮崎大学副学長の講演に引き続いて、須藤諭教授が電気設備学会東北支部長として、また、東日本大震災による電気設備被害事例調査委員会委員長として、講演を行った。


 講演内容は、今回の地震の特徴や地震および津波による被害の概要を整理した後、当委員会が調査した電気設備の具体的被害事例について解説した。また、講演者の具体的な体験談も有用な情報であると考え、ライフラインの途絶・復旧状況、震災時の情報取得の困難さ、飲料水の確保さくとして東北文化学園大学の取り組みなどについても織り交ぜながら講演となった。
 宮城県沖地震は10年ほど前から30年以内に99%の確率で起こると言われ続けてきた。しかし、なぜか防災意識は低かったといわざるを得ない。今回は特に備蓄の重要性を痛感させられた。最低限の水、食料、エネルギーは建物や建築設備の被害にかかわらず対応できるように準備しておかなければならないことであった。