2011年10月15日土曜日

平成23年度「卒業研修Ⅰ」報告会

「卒業研修Ⅰ」報告会


 平成23年10月15日(土)に、各研究室に配属された卒研生(4年生)がこれまでの研究・設計成果を報告する、「卒業研修Ⅰ」報告会を開催しました。
 学生本人による発表の後に、教員のコメンテーターから質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。 今後4年生は、報告会でコメントされた内容を卒業論文や卒業設計に反映させて、完成を目指します。
発表者・聴講者 記念撮影
 
「卒業研修Ⅰ」報告会のタイトル一覧
1. トイレ系排水管内の臭気の実態
2. 浴槽施設における浴槽内の水の流れについての実験的研究
3. 給水配管内の水質劣化の実態調査
4. 排水中のリン回収に関する研究
5. 室内空気汚染対策品の汚染物質除去性能に関する研究(その1)
  "空気清浄機のアンモニア除去性能"
6. 室内空気汚染対策品の汚染物質除去性能に関する研究(その2)
  "空気清浄機のVOC除去性能
7. 高天井室における上下温度差分布図の実測と改善に関する研究
8. 高齢者福祉施設のエネルギー消費特性に関する研究
  (DECCデータ平成21年度版による東北地方の分析)
9. 照明のLED化によるエネルギー消費削減効果に関する研究
10. 宿泊施設のエネルギー消費特性に関する研究
  (DECCデータ平成21年度版による全国の分析)
11. 仮設住宅における壁面緑化による環境支援の試み
12. Holy Line ~産業復興物産館~
13. Step Forward Firmly
14. 海と空と星と ~Shinchi Memorial Monument~
15. ふぉ~と ~ボランティアベースキャンプ~
16. 石巻市における仮設住宅からの復興住宅への段階的移行計画
17. 入院・入所施設の居室における環境整備の程度と影響について
18. 仙台旧市街・遺産住宅保全地区の調査提案
19. 【設計】 堤町佐大六連窯の再生と奥州街道マイスターロード
20. 【設計】 石巻祝田デッキハウジング
21. 旧十五浜村の漁具納屋の配置に関する比較考察

2011年9月15日木曜日

電気設備学会全国大会記念特別講演

電気設備学会全国大会記念特別講演
「東日本大震災における電気設備の被害事例調査について」


 2011年9月15日~16日、電気設備学会2011年(第29回)全国大会が宮崎大学を会場として開催された。本大会の開会式行事の特別講演の講師として須藤諭教授が招聘され、「東日本大震災による電気設備の被害事例調査」をテーマとして講演が行われた。
 特別講演は当初、原田宏氏(宮崎大学理事、副学長)による演題「我が国の和牛の成り立ち」のみが行われる予定であったが、東日本大震災の発生を受けて電気設備学会東北支部が行った設備被害に関する調査について、大会実行委員会からの強い要請を受けて、急遽報告することになったもので異例の特別講演であった。
 林喬会長(関電工会長)の開会挨拶及び原田宮崎大学副学長の講演に引き続いて、須藤諭教授が電気設備学会東北支部長として、また、東日本大震災による電気設備被害事例調査委員会委員長として、講演を行った。


 講演内容は、今回の地震の特徴や地震および津波による被害の概要を整理した後、当委員会が調査した電気設備の具体的被害事例について解説した。また、講演者の具体的な体験談も有用な情報であると考え、ライフラインの途絶・復旧状況、震災時の情報取得の困難さ、飲料水の確保さくとして東北文化学園大学の取り組みなどについても織り交ぜながら講演となった。
 宮城県沖地震は10年ほど前から30年以内に99%の確率で起こると言われ続けてきた。しかし、なぜか防災意識は低かったといわざるを得ない。今回は特に備蓄の重要性を痛感させられた。最低限の水、食料、エネルギーは建物や建築設備の被害にかかわらず対応できるように準備しておかなければならないことであった。

2011年8月23日火曜日

2011年度 日本建築学会大会(関東)

2011年度 日本建築学会大会(関東)

須藤研究室に所属する4年生の佐藤蓉子さんが2011年度日本建築学会大会(関東)において研究発表を行いました。

 
プロの研究者や大学院生たちに混じって、発表前はとても緊張した様子でしたが、堂々とした研究発表を行い、質疑に対しても適切に答えていました。
 学部生が学会で発表する機会はあまり少ないことから、とても貴重な体験をすることができました。

開催日:2011年8月23日(火)
開催場所:早稲田大学 早稲田キャンパス
題目:非住宅(民生業務部門)建築物の環境関連データベース構築に関する研究 その61 東北地方における福祉施設の基本負荷と変動負荷 平成21年度調査

2011年6月25日土曜日

東日本大震災における緊急給水実活動の実施報告会


東日本大震災における緊急給水実活動の実施報告会2011.6.25
人間環境デザイン学科 須藤諭研究室+岡田誠之研究室

  

 本学では、災害発生時を想定して既存設備を利用した非常用給水装置の検討を行ってきた。検討用として試作した装置を平成22626日より実機として本学、構内の受水槽に設置し供用を開始した。
さらに、本学は平成23217日この装置の利用を想定した災害時の飲用水提供を含む地域相互支援のための協定を、本学、仙台市青葉区および地元連合町内会の3者において締結した。また、平成23311日に発生した東日本大震災に伴い津波が発生し、仙台市内もすべて上水道の供給が停止、断水状態となったため、翌312日からこの装置を稼働して地域への緊急給水を実施した。実際の給水期間は312日から18日までの7日間であった。
給水を受ける方々はかなり遠方から自動車で来られる場合もあり、地域の混乱を防ぐため整理誘導を本学教職員と学生が交替で行っていただいた。
そこで、2011625日今般の東日本震災時の地域の方々の緊急給水の状況等の報告と設置訓練を兼ねての「災害時非常用水栓」の組み立て設置全行程の公開練習を行った。
当日はWG主査の岡田誠之教授より災害時の供給状況等の報告と本システムの解説が行われた。災害時に本システムの管理者が不在であっても設置できるよう、須藤諭教授の指示の下、本学警備員2名が組み立て作業を行った。
岡田誠之教授は受水槽内の水の残留塩素濃度の測定を行い、安全で安心して飲用することができるなど、参加した教職員・地域住民へ説明がなされた。

また、今回の報告会では新たに本学3号館地下受水槽の見学と本システムの設置も行わられた。3号館地下階受水槽は容量が大きいため今後、災害時には活用することでより多くの方々に飲用水を提供できる。
今回の報告会の参加人数は地域住民約20名、本学教員、学生約15名、本学警備員2名の参加であった。




2011年6月19日日曜日

東日本大震災復興フォーラム

2011年6月19日、東北文化学園大学主催の震災復興フォーラムに須藤諭教授がパネラーとして参加しました。東日本大震災を経験したわれわれが学んだ教訓を生かすため、学校法人東北文化学園大学が主催する震災復興フォーラムが、平成23年6月19日(土)に仙台市内の江陽グランドホテルで開催されたフォーラムのテーマは「東日本大震災の教訓~今、若者たちと語ろう~」とされ、時宜を得て高校生から一般市民まで合わせて636人の多くの聴衆が来場された。以下に、本学オフィシャルサイト等に掲載された開催報告を引用する。

(東北文化学園大学オフィシャルサイトより) 
本学園は「今、若者たちと語ろう 東日本大震災の教訓」と題して震災復興支援を考える市民フォーラムを6月19日(日)、仙台市内の江陽グランドホテルで開催しました。約650人の市民の皆さんに参加いただき、防災や地域支援の在り方について、まちづくり計画研究所の渡辺実所長、イタリア・ボローニャ大のトマーゾ・トロンベッテイ教授、東北文化学園大の岡田誠之教授が講演を行いました。休憩の後の梅村憲子さんの独唱が披露され、中でも唱歌「ふるさと」を来場された皆さんで合唱するシーンは感動を呼びました。二部の緊急パネルディスカッション「目指せ!新生東北 あの日から明日へ」では、運輸、医療に携わる本学園卒業生がパネリストとして参加しました。人間環境デザイン学科の須藤諭教授は震災当時の大学の様子と近隣住民への給水活動の成果を報告し、「飲料水の確保がとても重要だった」と述べ、専門学校臨床工学科を卒業した石巻赤十字病院の魚住拓也さんは、震災を受けた石巻の過酷な状況を報告し、できるだけ「顔の見える関係が大切」と強調しました。河北新報社の鈴木素雄論説委員長は、「かつては人材を供給する基地としての東北が被害を受け、今後、さらに若い世代の流出が懸念される。日本の中の東北の位置付けを皆で真剣に考えることが大事」と話されていました。

2011年5月17日火曜日

国宝 大崎八幡宮見学

1年次科目の見学会として、国宝大崎八幡宮を訪れました。宮城県仙台市青葉区八幡にある神社である。旧社格は村社。社殿は国宝に指定されており、どんと祭の裸参りで知られています。
 大崎八幡神社社殿は1952年(昭和27年)国宝に指定されています。

                       社殿(国宝)

2011年4月30日土曜日

本学の災害時における地域支援の可能性 その3 報告書


その3報告書表紙
大地震の発生の確率が高い地域に位置する本大学は、在籍する教職員および学生の災害時における対応策、さらに公共施設として位置づけられる大学として地域への支援の可能性も含めて検討することが重要な役割であると考えられている。
第3年度は、第1年度、第2年度の成果を踏まえて、その継続的検討として検討されてきた項目をそれぞれ実質化することを目的とした。主な課題としては下記が想定された。
1)災害時非常用水栓の実地装備
  ・管理課職員、警備員、その他関係者への設置訓練の実施
  ・学内および地域町内会等への公開、報道関係への公開
  ・実装した上での改良点の検討およびその実行
2)災害時非常用水栓の一般建物への普及
  ・仙台市関係部局との連携
  ・一般マンション、学校などを対象としたモデル事業への展開
3)学外との連携・大学内災害時対応体制の確立
  ・災害時対応体制の組織的構築
  ・緊急電話、発電機、備蓄品装備の促進

本WGの活動は過去2年度に引き続き、地域連携室に設置して検討が進められ、本WGにおける調査研究の主たる経費は、本学平成22年度教育計画支援費「本学建築設備を有効活用した災害時における地域支援の検討その3」(申請者:須藤諭教授)による助成を受けたものである。
また、宮城県産業技術総合センターに申請したいわゆるKCみやぎ研究会「既存設備を活用した災害時緊急給水研究会」(申請者:須藤諭教授)が採択され、一般建物への普及策の検討等についてはこの研究会と連携して進めることとした。学外との連携の一つとして、岡田誠之教授が参加している仙台圏戦略的大学連携支援事業の防災ネットワーク部会における平成22年度「防災マニュアルの作成」についてもこのWGにおいて検討を進めることとなった。
さらに、平成23年2月19日には国見地区連合町内会と青葉区との3者の地域連携協定が締結され、大学が国見地域のまちづくりや災害支援に積極的に協力することとなり、本WGの活動成果もその一助となることとなった。

そして、既に報告書のまとめに入っていた2010年3月11日の14時46分、東北太平沖地震が発生し、この検討WGによって設置された「災害時用非常用水栓」を稼動させることとなった。この記録を収録するため、急遽「Ⅴ.2011年3月11日東日本大震災にともなう緊急給水」を追加した。そのため、本報告書の発行日は年度をまたいだ2010年4月30日となった。


2011年3月12日土曜日

東日本大震災に伴う地域緊急給水活動

東日本大震災に伴う地域緊急給水活動(2011.03.12~2011.03.18)

●緊急給水の実施

地震発生後、本学では法人局長を中心に暫定の緊急対策本部を組織し、理事長・学長はじめ法人責任者との連絡対応、大学施設の被害対応、帰宅困難学生の対応等を開始したが、筆者らもこれに参加することとなった。地域の水道が断水状態となっていることが判明したため、この緊急対策本部の判断で 2 号館受水槽の水を地域への緊急給水に使用することを決定した。

そこで電力が復旧したとき自動的に高置水槽に揚水されてしまうことを防ぐため、揚水ポンプスイッチを「自動」から「OFF」に切り替えた。翌 3 月 12 日早朝、給水を実施する旨を告知する張り紙を表示し、実際に給水装置を設置した。

実際の給水期間は 3 月 12 日から 18 日までの 7 日間であった。

 給水を受ける方々はかなり遠方から自動車で来られる場合もあり、地域の混乱を防ぐため整理誘導を本学教職員・学生数名ずつに交替で当っていただいた。緊急給水の対応時間は 12 日から 15 日の 4 日間は 8 時から 16 時までの 8 時間、16 日から 18 日までの 3 日間は 10 時から 15 時までの 5 時間であった。 7 日間の提供人数を積算すると総提供人数は3,523 人となった。

 提供期間内で給水 3 日目及び 4 日目は 800 人台となっており、この 2 日間は住民がパニック状態となって水を欲している状況が表れている。給水 4 日目の 3 月 15 日には 600 人弱となり、5 日目には提供人数がやや尐なくなっている。この時期には他の給水提供場所も出現してきたものと思われる。隣接地域まで水道復旧が実現してきた 6 日目には 300 人程度まで減尐した。3 月 18 日は最終日ということもあり、提供者数は尐し増加した。

●被提供者の持参容器の種類と容量

7 日にわたり水を提供した中で、初日から 2 日目の10 時までの所持した容器の種類と容器の容量を調査した。容器の種類は、ペットボトル 0.5L,1L、2L,5L の容器、ポリタンクの種類は 5L,10L、20L の容器、その他は電気ポット、魔法瓶、なべ、やかん、ダンボール等の容器にごみ袋を入れた仮容器もあった。

容量については開始時の時間帯の容量は 1 回当たり平均値 9.9L、提供終了時の時間帯の容器は平均値 15.6L となっているが、12 日の終日の一回当たりの平均値は 10.3L、2 日目の 10 時までの一回当たりの平均値は 10.1L であった。水提供時には 1 人当り 4L としていただくよう張り紙や口頭で説明したが、それを徹底することはなかなかできない状況であった。

2011年2月5日土曜日

2010年度「卒業研修Ⅱ報告会」

2010年度「卒業研修Ⅱ報告会」

平成23年2月5日(土)に、卒研生がこれまでの研究・設計成果を報告する、「卒業研修Ⅱ報告会」を開催しました。
発表者数は25名。発表した学生は、4年間の学修の成果を発表するため、連日資料やプレゼンテーションの準備をしていました。この発表結果は、担当教員が発表内容や論点などの評価基準に基づき評価します。
また、非常勤講師の先生方にもご参加して頂き、アドバイス、コメントを頂きました。
ここでは、今回の発表タイトル一覧と、報告会の様子をご紹介します。

「卒業研修Ⅱ報告会」のタイトル一覧
1. 空気清浄機におけるニオイセンサの検知性について
2. 特別教室における室内空気汚染に関する研究
3. 臭気汚染対策製品に関する基礎的研究(その1) -スクリーニング試験法の提案-
4. 臭気汚染対策製品に関する基礎的研究(その2) -置型消臭剤のアンモニア除去性能-
5. ムク材から発生する化学物質に関する研究 -乾燥過程、部位が発生物質に及ぼす影響-
6. 空気清浄機におけるアンモニア除去性能の劣化性に関する研究
7. シューボックス型中ホールの適正残響時間に関する研究~実在コンサートホールの音響模型を用いた検討~
8. 利用者からみた仙台市内のクラブへの誘因要因に関する研究
9. 「Artで繋ぐ人と時間」 ---都市の縮小時代におけるアートプロジェクトと表現拠点に関する分析と提案
10. 要介護高齢者の寝室における災害時の危険性に関する研究
11. 影からみた仙台市内の病院の庭に関する研究
12. 東北地方の住みつき密度の現状と地方自治体の施策のあり方について
13. Spa Factory "Cocoon Dance"
14. 下水浄化センターにおける小水力発電の可能性に関する研究
15. GISを利用した下水流量の推定に関する研究
16. 全国宿泊建物のエネルギー消費実態調査及び変動負荷の特性分析
17. 浴槽における入浴剤のにおいの特性に関する研究
18. 浴槽内の水の流れに関する研究(模型槽を用いた浴槽について)
19. 六・七郷堀の上流域の水辺~仙台堀の水辺景観の考察~
20. 台原~東照宮地域の失われた水辺空間の調査
21. 七ヶ宿関本陣の利活用について
22. Sendai River School
23. 仙台市若林区東地区小学校の緑化現状とCO2吸収量
24. 木造住宅デザインが木材使用量に及ぼす影響について ~LCCO2の検討~
25. 学校ビオトープ設置提案及び設計「石巻市立稲井小学校」